1.歯肉切除術 |
歯肉を切除することにより、単に、歯肉ポケットを減らす方法。膿漏が比較的軽度な場合に行いますが、歯周ポケットが再発しやすい症例もあります。 |
2.歯肉掻爬術 |
歯肉を切り開き、中の方にこびりついている歯石をかきだします。 |
3.根分割保存法 |
歯の根っこ(根)は2〜3本あり、膿漏がひどく抜歯しなくてはならない場合、行います。1本の歯のうちの、膿(うみ)がひどい根を、分割して抜去し、良い根だけを残す方法です。 |
4.歯肉移植術 |
悪い歯肉を、良い健全な歯肉に置き換える方法です。
歯肉には、付着歯肉と遊離(可動)歯肉があり、遊離歯肉は歯ぐきの表面に、付着歯肉はその下にあります。膿漏が進むと、付着歯肉が減り、遊離歯肉だけが残ります。遊離歯肉は“ぶよぶよ”しており、歯やインプラントの周囲が遊離歯肉だけになると、歯周ポケットができやすく、細菌が繁殖しやすい状態になってしまいます。もちろん、歯を支える歯ぐきの力も低下します。
一旦、消滅した付着歯肉は、再生できません。そこで、自分の口の中の歯肉を切除し、移植します。2ヶ月程で、移植した部分が固まり、歯やインプラントを支えるに足る歯肉が形成されます。 |
5.歯肉再生療法 |
歯ぐき(歯肉)の質が劣化しているため、1の歯肉切除術を行っても、歯周ポケットが再発する恐れがある場合行います。
1と同様に、歯石をかきだし、そのまま閉じると、歯の周囲は劣化した歯肉で覆われるため、歯周ポケットが再発し、歯石が付着しやすく膿漏は再度進行してしまいます。
そこで、劣化した歯肉が歯を覆わないよう固定し、生体の自然な復元力によって、歯肉を再生させる療法です。再生した歯肉は、歯への“ひっつき”がよく、確実に歯周ポケットを減少させます。手術時間は、1の3倍ほどかかり、特殊なテクニックを必要とします。
歯槽骨(歯肉の下にあり、歯を支えている)の整形も同時に行うことができます。膿漏で失われ、不揃いになった骨を、本来の形態に近づけます。 |
6.GTR法(骨欠損が少ない場合) |
膿漏で溶けた骨(歯槽骨)を再生させる方法です。
膿漏がひどく、歯槽骨が溶けてしまった場合、5の歯肉再生療法を行い、歯周ポケットを減少させても、歯を支える土台が弱く、歯は充分に機能しません。溶けてしまった歯槽骨を再形成させるには、歯肉が歯の周囲を覆わないように、歯の根っこから歯肉を離しておかなければなりません。
歯肉の復元力のほうが、歯槽骨の復元力より強く、歯槽骨の再形成を妨げるからです。
手術により歯石を除去した後、生体親和性のある膜を歯肉と歯槽骨の間に置き、歯肉の急加成長を防ぎます。すると、歯槽骨の付着繊維がゆっくりと成長し、歯槽骨が再形成されます。
骨の自然な復元力を促すため、4ケ月程、日数を要します。 |
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7.骨移植術(骨欠損が多い場合) |
膿漏により、やせて小さくなった歯槽骨に骨を移植し、インプラントや入れ歯の土台を作る方法です。
移植骨には人工骨と自家骨(本人の骨)があります。 |