【インプラントの長期保存を目指して、何をすべきか。】
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① |
抜歯後にインプラントを植立する理想的な時期はいつか?
歯を抜くと、歯を支えていた骨は、1年で17%2年で50%減少すると言われています。インプラントの植立手術は、骨が減少しないうちに、抜歯後2・3ヶ月後が理想的です。只、植立すると同時に骨移植をする必要があります。
植立するだけの手術と比べると、骨移植を伴う手術は2〜3倍時間がかかります。が当院では、あえてこの方法をとり、長期保存をはかっています。
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② |
かむ力の強い奥歯は長く太いインプラントを植立する事です。その大きさが、直径5mm長さ13mm程度なら安心できます。が、直径4mm以下、長さ8mm以下のサイズになると噛む力に耐えられません。直径5mm長さ13mmのインプラントを埋めこめる程の骨がない場合には、手術と同時に骨を移植します。
土台となる骨が、歯槽膿漏などでとけてしまっている場合、骨を作った後でインプラント手術をします。かなり手間を要しますが、少しでも長く太いインプラントが植立できますように、骨再生術が、インプラント長期保存の鍵です。
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③ |
インプラントの周りの歯ぐきを強くする。自分の歯と同様に、インプラントも細菌感染により歯槽膿漏になり、接合部分の骨がとけてきます。予防には、インプラントの周りの歯ぐきを、健康強固にし、細菌の侵入を防ぐことです。
当院では、2回の手術でインプラント植立をほぼ完成しますが、2回目の手術時に、強い歯ぐきを移植したり、強い歯ぐきを作る手術(根尖側移動術)を行います。手術時間は、通常の2〜3倍要しますがインプラントを長持ちさせるには必要です。
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④ |
インプラントを長持ちさせることは、土台=歯を支えている骨が重要です。骨がしっかり丈夫でないと、インプラントの接着が弱く長持ちしません。以前、静岡の東名高速道路が通行止めになり、復旧に時間を要しました。
工事の難点は、その場所の地盤の弱さにあり、交通量を支えるように、地盤を補強するのが大変だったようです。インプラントもこれを同じで、噛み合わせの力に充分たりうる強さで、支えねばなりません。歯を支える骨が健康で強い事が重要です。
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⑤ |
●プラットホームスイッチで、骨の退縮を防ぐ
●インプラント長期保存のためには、「骨を温存させる事」が最も重要です。
3iインプラントが提唱するプラットホームスイッチの概念は、この事に合致しています。インプラント本体と、上部構造(人工歯)を接続する部分をプラットホームといいます。この接続部分で、上部構造の直径が、インプラントの直径よりもひと回り小さい物を接続すると、骨の退縮を防げるという事が新しくわかってきました。
3iインプラントは日々進化するインプラントです。我々も、それに追従するよう切磋琢磨していく事が重要です。
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⑥ |
インプラントには歯槽膿漏治療が必須!インプラントを多数植立する方は、歯槽膿漏が進行している場合が多いです。
インプラントは、歯を支えていた骨と強く結合しますが、他の歯が歯槽膿漏で弱っていると、かみ合わせの力がインプラントに集中して過重負担となり、インプラントにダメージを与えてしまいます。インプラントを植立した後も、歯槽膿漏のチャックを定期的に行わなければなりません。
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⑦ |
インプラントを長持ちするには噛み合わせが重要。インプラントをセットした後、少しでも噛み合わせが高かったり、ずれがあるような場合は、すぐに言って下さい。過剰に負担がかかりインプラントがダメになってしまいます。
又、歯槽膿漏などで周りの歯が弱くなってくると、噛み合わせの力がインプラントに集中して、過剰負担になります。インプラントを含め、常に口の中の全体の噛み合わせのバランスチェックが重要です。
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⑧ |
インプラントの構造は、インプラント本体(骨内にあり、歯の根にあたる部分)と、上部構造(骨外にあり、歯の冠にあたる部分)に分かれています。さらに、上部構造は、内冠と外冠に分かれ、内冠は土台となる部分で、インプラント本体とネジでしっかり固定させます。
その上にかぶせる外冠(通常の銀歯、金歯、白い歯にあたる部分)は、ネジで固定させる方法もありますが、複雑な構造になり、ネジがゆるんだり、破壊されやすいです。当院では、その部分にあえて、仮着にしています。何故なら、インプラントに過重負担がかかった場合、仮着した部分が外れ、インプラント本体にダメージがかからないようにとの配慮です。
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⑨ |
3〜4ヶ月毎の定期点検が必須!インプラントを植立して、しっかり噛めるようになっても油断しないで下さい。定期健診を怠ると大変です。
インプラントも周りの歯も、常に変動しています。3〜4ヶ月毎に歯槽膿漏・虫歯・歯石除去・インプラント・口腔全体の噛み合わせ等の定期点検が重要です。又、それが体全体の健康にも、繋がっていきます。
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