現代人は加工食品を多く食しています。加工食品は柔らかい食物が多いので、あまりアゴを使わなくてすみます。従って、現代人のアゴは細く小さくなる傾向にあります。
原始時代の人々は、硬くて歯ごたえのある物を食べていたので、大きくしっかりとしたアゴをもっていました。 そのため、消化・吸収を助けるためにも、大きなアゴ、歯による咀嚼(そしゃく)は、必要不可欠でした。しかし、そのような咀嚼機能の必要のない現代人にも、親知らずが、しかも細く小さいアゴに生えてきます。
(最近の若者では親知らずは進化の過程における退化の傾向にあるので数が少なかったりはえてこない傾向にあります。)
その為狭いアゴの奥に無理やりはえてくるので、ゆがんではえてきたり、まっすぐにはえてこれずに真横に生えているケースも、多々あります。
そのような場合、手前の歯との間に食べかすがたまりやすくムシ歯になったり、歯石をためて歯槽膿漏になりやすくなります。
親知らずを早く抜かないために、手前の重要な歯がダメになってしまうケースも多々あります。
また、親知らずが前の歯をおして、歯並びが悪くなってしまうケースもあります。
上下の親知らずが、はえるスペースが充分にあり、まっすぐにはえてきているならば、使用、温存する価値はあります。が、実際には抜いて手前の歯を保護するケースがほとんどです。
最近の若い先生の中には、症例が少なくて歯を抜くのがこわいという先生もおられるようですが、当院では長年につちかってきた技術と努力により、困難な親知らずの抜歯に対応します。
一般病院では困難な抜歯は入院するケースが多いですが、当院では抜歯後のレーザーによる殺菌消毒ができるので、それさえ通っていただければ入院の必要はありません。
体調が不安定な方は手術用患者監視装置を使用し手術中、心電図・心拍数・血圧(最高・最低・中央)血中酸素飽和度などを計測しながら行います。
術中に異常があればすぐに装置が反応します。また超困難な抜歯には高感度デジタルCTを使用して行います。(線量は一般CTの1/7以下です。)また点滴も必要に応じ行います。
患者さんにはアメリカで開発された精神鎮静作用のあるα波の強くでるCDの中から院長が選択して患者さんに提供しています。
困難な抜歯ケースは当院では1万症例(R3現在)以上になります。
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