【困難な親知らずの日帰り抜歯】(CTで判断し適確に安全に)

まず局所CTをとり、解剖学的形態危険な神経の把握を行ない、抜くための治療計画を立てて行なっています。
 当医院では、困難な親知らずの抜歯を入院せずに日帰りで行います。抜歯後は細菌感染を防ぐためレーザーによる殺菌消毒(無痛)を行います。

 親知らずとは上下左右の一番奥にはえてくる歯で通常4本あります。18才〜21才頃にはえてきて子供が自立し親が気がつかない時期にはえてくるため親知らずといわれています。
 奥の方でハブラシも届かずむし歯になりやすく、手前の歯にも悪影響を与えるので一般的には早く抜いたほうが良いとされています。

【症例1:女性35才】

:右下7番
スペース不足のため、親知らずが傾斜してはえてきてしまい、その圧力によって前の歯の底に穴をあけ、痛みが出て来院されました。
の歯を残そうと必死に治療したのですが無理でした。その結果親知らずと共に大事なの歯も抜歯となりました。
もっと若いうちに早く親知らずを抜歯すればの歯は助かったはずです。

【症例2:男性58才】

:右下7番
スペース不足のため親知らずが真横(水平)にはえてきてしまっています。の歯の間に食べかすが入り込み、むし歯になって歯ぐきが腫れ、痛みを生じ、口臭も気になるとのことで来院されました。
その結果、の根の先までむし歯となり、残すことが不可能なので親知らずとともに即座に抜歯しました。
の歯がむし歯になる前に(親知らずがはえると同時に)即座に親知らずを抜歯すべきでした。歯を抜くことによって口臭はなくなったそうです。

【症例3:女性21才】
症例3
アゴの痛みと前歯の歯並びが悪くなった事が気になり来院されました。
スペース不足のため、親知らずが真横(水平)にはえてきており、親知らずが前に押す圧力によって前歯の歯並びが悪くなっていました。
また、圧力がの歯を押し上げ、かみ合わせも悪くなり、その結果アゴに負担がかかり痛みを生じています。

直ちに原因である左右の親知らずを抜きました。
次にのかみ合わせを改善することにより、しだいにアゴの痛みも消失しました。

親知らずを早い時期に抜いたため、症例1、2のような事態はまぬがれの歯のかみ合わせを調整することにより、アゴは保護されました。前歯の歯並びもこれ以上悪くなることは無いと思われます。

いずれにしてもゆがんだ親知らずは、前の歯を痛めていない18〜22才頃の若い時期に早く抜くことがベストです。


 現代人は加工食品を多く食しています。加工食品は柔らかい食物が多いので、あまりアゴを使わなくてすみます。従って、現代人のアゴは細く小さくなる傾向にあります。
 原始時代の人々は、硬くて歯ごたえのある物を食べていたので、大きくしっかりとしたアゴをもっていました。 そのため、消化・吸収を助けるためにも、大きなアゴ、歯による咀嚼(そしゃく)は、必要不可欠でした。しかし、そのような咀嚼機能の必要のない現代人にも、親知らずが、しかも細く小さいアゴに生えてきます。
 (最近の若者では親知らずは進化の過程における退化の傾向にあるので数が少なかったりはえてこない傾向にあります。) その為狭いアゴの奥に無理やりはえてくるので、ゆがんではえてきたり、まっすぐにはえてこれずに真横に生えているケースも、多々あります。
 そのような場合、手前の歯との間に食べかすがたまりやすくムシ歯になったり、歯石をためて歯槽膿漏になりやすくなります。 親知らずを早く抜かないために、手前の重要な歯がダメになってしまうケースも多々あります。 また、親知らずが前の歯をおして、歯並びが悪くなってしまうケースもあります。
 上下の親知らずが、はえるスペースが充分にあり、まっすぐにはえてきているならば、使用、温存する価値はあります。が、実際には抜いて手前の歯を保護するケースがほとんどです。
 最近の若い先生の中には、症例が少なくて歯を抜くのがこわいという先生もおられるようですが、当院では長年につちかってきた技術と努力により、困難な親知らずの抜歯に対応します。 一般病院では困難な抜歯は入院するケースが多いですが、当院では抜歯後のレーザーによる殺菌消毒ができるので、それさえ通っていただければ入院の必要はありません。
 体調が不安定な方は手術用患者監視装置を使用し手術中、心電図・心拍数・血圧(最高・最低・中央)血中酸素飽和度などを計測しながら行います。 術中に異常があればすぐに装置が反応します。また超困難な抜歯には高感度デジタルCTを使用して行います。(線量は一般CTの1/7以下です。)また点滴も必要に応じ行います。
 患者さんにはアメリカで開発された精神鎮静作用のあるα波の強くでるCDの中から院長が選択して患者さんに提供しています。 困難な抜歯ケースは当院では1万症例(R3現在)以上になります。

【抜歯後の詳細な注意事項】

  1. 血が止まるまで、綿を抜いた傷口の真上に適確にのせてしっかりかんで圧迫止血してください。15〜20分間隔でワタを取り替えてください。数回取り替えて血がじわじわ出てこなくなったらもうかまなくていいです。唾液に少し血が混じっている程度なら大丈夫です。
  2. 血が止まった直後にはうがいをしないようにしてください。(特に傷口では)
  3. 眠る前には必ずワタを除して眠ってください。(ワタがのどにつまるといけないので)
  4. 抜歯後当日は入浴は避けてください。
  5. 早く傷口を治すには、抜いたところにたまった血ペイ(血の塊)の中に傷口を治す成分が含まれているのでそれを取らないよう注意することが重要です。
  6. 翌日からうがい歯磨きをしてもいいのですが、傷口は避けるようにして、くれぐれも血ペイ(血の塊)を取らないよう努力してください。
  7. 食事は柔らかい物(うどんなど)を食べ傷口に入らぬよう注意してください。しばらくはカロリーメイトもおすすめです。(当院では仕入れ価格で提供しています。)水分を取るときは、抜いた反対側でストローを利用すると良いです。
  8. 抜歯後数日は、喫煙・飲酒・運動は避けてください。(腫れた場合は腫れがひくまでは)
  9. お渡しした薬は指示通りに服薬してください。薬を飲んで異常をきたしたら飲むのを中止しすぐに当院に連絡してください。
  10. 場合によっては歯を抜いた後、しびれやマヒが持続する場合がまれにあります。そのような場合は必ず医師に伝えてください。

当院では、傷口にレーザーを当て、殺菌消毒し、傷口を少しでも早く安全に治すよう努めます。(レーザーには痛み・副作用はありません。)

歯を抜いた後、傷口を早く治す3つのポイント
① 傷口に食べかすを入れない
② 傷口でのうがいをさける
③ 傷口をおおう血の塊をとらない

【抜歯後の傷のなおりかた】

(1) 1日〜2日
    歯を抜くと穴が空き、そこに血ペイ(血の塊)ができます。
    その中に傷口を治す成分が含まれているので、これをとらない
    ようにしてください。
(2) 3日〜1週間
    表面が膿または”とうふのおから”のようなものにおおわれますが、
    それは治る過程にできるもので心配はいりません。
(3) 10〜20日
    ある程度、傷口が落ち着いてきます。
    抜いた後、痛みが増したり傷口の治りが悪い場合は、担当の医師に
    おっしゃってください。

医療法人桃成会
桃花台歯科 Tel:0568-79-8244
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